汚れを落とすために多くの洗浄剤がありますが、多くは界面活性剤主体、アルカリ主体、酸主体に分かれます。その中でもナチュラルな洗浄効果があるものを見てみたいと思います。
水の効果
水は多くの物質を溶かし込む性質を持っています。川で流れていくときに、石や砂などからミネラルを吸収し溶解します。川が長い外国の水は硬水と言い、ミネラルを豊富に含んでいますが、日本は川が短いので軟水です。ミネラルを多く含みすぎると毒になり、人間は飲むことが出来なくなります。
ミネラルを多く含む水は洗剤に悪さをするので界面活性剤主体のものにはミネラルを封じ込める物質を助剤として入れてあります。純水はミネラルを含んでいないので洗浄効果を最大限引き出すことができます。
簡単な汚れは水のみで汚れを落とすことができます。また水のイオンを+か-に傾かせたイオン水があります。+イオン水(酸性水)は除菌効果・消臭効果があり、-イオン(アルカリ水)はタンパク質を分解することができます。
アルカリイオン水は合成界面活性剤を含んでいない水のみなので、環境に優しいですが、生成時に同量の酸性水ができます。この中には塩素が含まれており、それを処理する必要があります。
ナチュラルな酸
クエン酸は微生物の発酵によって作られます。クエン酸の酸度はpH2~3で割とナチュラルです。溶解性も良く、カルシウム、マグネシウムを溶かす有機酸の中では最も扱いやすい酸になります。
シュウ酸は植物(カタバミ)に含まれている酸です。昔の人はシュウ酸を使って鏡を磨いていました。金属の腐食性もなく扱いやすい有機酸ですが、洗浄剤としては安定性が無くあまり利用されることはありません。
乳酸は乳酸菌が作る酸です。ナチュラルな洗浄効果と除菌効果があります。カビ取り剤などで利用されています。
酢酸は酢酸菌が作る酸です。お酢。お酢もカルシウム・マグネシウム汚れに効果があり、シンク内の洗浄剤などで利用されています。また殺菌・消臭効果も抜群です。
ナチュラルなアルカリ
最もナチュラルなアルカリは重曹。pH8。程よく油分を分解します。粉末をそのまま利用すればスクラブ効果があり洗浄力アップ。重曹水を煮詰めると炭酸ナトリウムになりより洗浄力があがります。ph11。
セスキ炭酸ナトリウムはpH10.5。拭きムラが少なくとても扱いやすいアルカリ。
炭酸ナトリウムは油汚れに効果的なナチュラルでもMAXレベルに強いアルカリ。
過炭酸ナトリウムは炭酸ナトリウムに過酸化水素を混ぜたもの。これもナチュラルレベルでは強いアルカリ。過酸化水素は漂白効果があるので、洗濯洗剤に含まれています。
石鹸は油を水酸化ナトリウムを混ぜて固めた界面活性剤です。pHは10。石鹸は手肌に付くと界面活性効果が無くなるため、肌に比較的優しく汚れを強力に落とすことができます。石鹸は水の中の金属イオンとキレート結合し石鹸カスになります。石鹼カスは放置すると固く固着します。キッチンで使う場合はシンク内に金属石鹸が溜まってきますので、酸で中和させると良いでしょう。
ナチュラルなアルカリとはいえ、タンパク質を分解する力が強いため、素手で使うと皮膚が劣化していきます。ここが人間的には少し扱いにくいということで、中性洗剤が存在するのです。アルカリが手軽に素手で洗浄出来るのであれば、中性洗剤は存在していないでしょう。
ナチュラルな界面活性剤
レシチンは大豆などに含まれる界面活性剤です。水に溶けません。乳化特性はあるので、マヨネーズのようなペーストに利用されます。
サポニンは大豆、無患子などに含まれる非イオン界面活性剤です。pH4.5。サポニンは古代から人間が利用してきており、素肌に安全ですが幾分かの魚毒性があります。
まとめ
これらの効き目がナチュラルな洗浄物質は日常の清掃で十分に通用します。汚れは放置するほど取れにくくなってきますので、定期的なメンテナンスをすることでナチュラル物質で対応できます。
地球の恩恵に感謝してキレイに戻したいと思う方はナチュラルクリーニングを始めてはいかがでしょうか。