合成界面活性剤の影響

現在の日本の下水道普及率は80%。
結構普及されていると思うが、県別で見ると少しニュアンスが変わる。

公益社団法人 日本下水道協会より抜粋

特に四国、九州、中国、東北では下水道普及率が低い傾向にある。
また県内でも市内は完備されているが、少し離れた山間部などではまだまだ普及されていない地域がある。

完備されていない地域では合併浄化槽を設置することになるが、合併浄化槽を入れるのにコストがかかるため、単独浄化槽のまま生活している方も存在する。単独浄化槽とは、トイレのみの浄化であって、その他水周りからの汚水はそのまま川に流れて行くパターン。よって環境に気をつける必要があり、強力な洗剤や、BODの問題になるような油や食べ残しには気をつけて生活している方が多い。

合併浄化槽はバクテリアによって汚れを分解し、分解後そのまま川に流れていく。バクテリアは生き物なので強い洗剤が浄化槽に入るとバクテリアが死んで浄化槽の機能が低下する。

下水道の場合は処理施設で処理されるため、汚水について考えることは必然的に少なくなるが、合併や単独浄化槽の場合は汚水について考えることになる。自然と隣り合わせの方がより環境を意識する。

水は有限であり、無限ではない。人間の60%は水であり、食料も水がないと育たない。
水は生命にとって一番重要な資源である。大切に使うことが未来の子供たちのためになる。

合成界面活性剤の魚毒性はLD50(魚毒指数)は 1mg/L。
一滴は50mgなので、1Lの水槽に一滴入れると魚は死んでしまう。

市販の食器用洗剤の界面活性剤の量は大体25%~35%、エコ洗剤でも9%ほど含有している。

仮に界面活性剤1%の洗浄剤100mlを作ったとしよう。
その洗剤1滴に含まれる界面活性剤の含有量は2mgなので
1%の界面活性剤1滴を1Lの水槽に入れるだけで魚が死んでしまうことになる。

魚が死ぬ理由は毒性ではなくて、エラに界面活性剤が張り付いて酸欠になる窒息死である。
昔は自然にあるサポニンを含んだ植物の汁を川に流し魚を取る毒流し漁を行っていたこともあるが、現在その漁法は禁止されている。

天然の界面活性剤も魚に毒性がある。このサポニンは油粕という肥料にも含まれており、サポニン油粕の使用を控える地域も存在する。

ここで天然界面活性剤の毒性について考える。
まず、天然の界面活性剤は微生物のエネルギーになる。つまり微生物が活性化するため、下水処理施設では微生物の活性を高めるためにあえて投入するものである。

次に魚毒性はLD50=30mg~100mg/L。これは植物によって異なるとされる。
合成界面活性剤は1mg/Lなので、魚毒性が強いのは天然界面活性剤サポニンではなく合成界面活性剤である。

天然界面活性剤と植物系界面活性剤は全く違うものである。植物系というのはパームやヤシなどの植物油を結合させた合成界面活性剤に変わりない。その他天然系界面活性剤というのもあるが、これも合成である。

天然界面活性剤は自然分解性が高く、微生物や紫外線によって3日で分解されるが合成界面活性剤は長期的に続く。自然の摂理を考えると、自然のものは容易に分解できるものでないといけない。自然とは本当に良くできている。

合成界面活性剤の魚毒性をクリアするためには0.5%の界面活性剤を含む洗剤となる。この濃度の洗浄剤は界面活性効果としては非常に低く、汚れを落とすことが難しい。

合成界面活性剤は人間に都合の良いものであり、大変便利であると同時に、課題もある。
多くの界面活性剤も処理施設、または自然の中でほどんどが分解され、環境に問題ないとされているし、人間は合成界面活性剤によって清潔でクリーンな環境を作ることができているのも確か。無くてはならないものかもしれない。しかしながら、天然サポニンについてネットで調べると、大抵は魚毒性があるので危険であるという文字が並び、あたかも天然サポニンが悪のように感じさせるが、毒性は合成界面活性剤のほうがはるかに高いしその記述は見受けられないは何故だろうか。

海外サイトをみても、ビーガンは合成を嫌い、サポニンを使いたいが、魚毒性があるのでそれを嫌うということがある。ではビーガンは合成界面活性剤や石鹸を使っているのだろうか。石鹸も魚毒性があるのは確かで、また別の問題のBOD水質汚濁濃度が高いのはむしろ石鹸である。

天然は扱いにくい。これだと思う。植物の実やそのものの加工物をそのまま扱うと魚毒性濃度が分からないため影響を及ぼすから使いにくいというのであればネットでそう記述しているのは分かる。ではそれをコントロールすればよいだけの話であって、それはさほど難しいものではない。

ご不明点はお気軽にお問い合わせください。

全国84社以上の独立開業サポート実績あり!
すでに多くの方がおそうじビジネスで
しっかりと成果を手に入れています。