大切なことに気がついた。
私は日本人であることを。
それは設楽町の自然が教えてくれた。
この畑は本当に美しい。
なぜこんなに美しいのか。
それは、先祖代々受け継がれてきた畑だからだ。
もっと踏み込むと、子供ができ、その子供のために父は畑を耕し、食に困らないようにこの畑を守って来た。それはおじいちゃんのときも、そのまたおじいちゃんのときも同じような気持ちで、自分が死んでも息子や孫のためを思ってしてきたことなのである。
だからこの畑には美しさがあり、
ここにいると、時間を忘れるくらい気持ちが良い。
周りを見ると沢山の木々に覆われている。
その木、一本一本は先人によって植林されており、その思いは、自分が死んでも、この自然を孫や、ひ孫の為に残したい。仕事としてだったり、家を作る為にも、暖を取る為にも何かと必要であろうという思いである。
設楽町は水源がある。水源を守ってきた。そして今も透き通ったキレイな水が流れている。昔の人からずっとこの水を大切にしてきたからである。
水の価値は私の命よりもはるかに価値があると思う。そう思ったときに、日本人の忘れかけていた精神が呼び起こされた気がした。
今頃気付いた。情けない。
設楽町の皆さんからすると
私は本当に何も分かっていないと思うだろう。
また「若いもんが来てくれて大歓迎だわ。
一生懸命やったらいい。」
と心の後押しもある。
この言葉は今となっては
本当に奥が深いことに気がついた。
設楽町のみなさんは
それを当たり前にやってきているからだ。
設楽町に環境問題は無い。
問題が出ないように皆さんが一生懸命
やってきている。自然を見ただけで自然を大切にしてきたことが分かる。
日本人として
当たり前のことであり
それを当たり前のようにやってきた美しい
日本人の精神である。
私が子を持ったから
今の世の中が不安定で
子供の世代、また孫の世代は
一体この日本はどうなるんだろうか、
ちゃんとご飯を食べていけるのだろうか、
ちゃんと美味しい水が飲めるだろうか、
安心して過ごせる環境はあるだろうか、
と自然と親は考える。
そしてこの歳になって
世のため、人のために
自分ができることをしなければ
いけないと自然と思うようになる。
先人はみんなそう思って
日本の為に命をかけて頑張って
くれたお陰で、僕達は幸せに
暮らして居られること、
次は僕達が後世の為に
やらなければならないのだ。
それを大和魂と言う。
この精神はなんと縄文時代から
受け継がれている日本精神である。
サッカーのワールドカップで
日本人は必ずスタンドのゴミをキレイに片付けて
帰ることに世界中が賞賛したが、
日本人としては当たり前のことをした
だけなのである。
例え、試合に負けても
憎まず、相手を賞賛し
水に流す。
試合に負けてもスタンドをキレイにして
次の試合をする国の人のために。
これは他の人種に無い
日本特有の精神であるから
世界が仰天したのだ。
逆を言うと世界からすると、
自分が良ければそれで良い。という
考えなのであろう。
自分さえ儲かれば、後のことは知らない。
と、こう言う考え方である。
でも日本人は違う。
だか、、忘れかけている。
忘れかけている大切な精神である。
人工的な都市は
自然の観点からすると
かなり自己中心的な観点に偏っているのが分かる。楽して都合が良ければそれで良いと
自然を都市から排除し全てをコントロール
するようになった。
猿が出ようものならニュースになって
犯罪者のようにカメラが追っているのをちょくちょく見るが、それを見ると違和感でしかない。
元々自然を排除したのは人間なのだから。
そして将来的には一部の人間が人間をコントロールする社会が成立するだろうと容易に考えられる。
猿が出てもしかないよね。
だって自然なんだからと思えないところである。
猿を捕獲しないと危害を加えられた際には
警察や地域に責任が及ぶから。
猿が出ても仕方ない。
自然なんだからしょうがないと
思えることが
自然なことではないのか。
人工的な社会で
失われたものは自然だけではなく
その日本人的な精神が失われつつある。
それを取り戻す必要がある。
自然と日本人の精神を
取り戻すこと。
それが、日本を良くして
幸せに暮らせれる様になる一つの道のような
気がする。
